【たかいよしかずブログ/第8回】ゆるキャラのネーミングは”ダジャレ”が決め手!?
たかいよしかず
第8回ブログスタートです。
今回は今年の春に兵庫県西宮市の「市のキャラクター」になった“みやたん”のお話しです。
今からさかのぼること10年前の2011年5月。
西宮の多彩な魅力を市民の皆さんや県外からの多くの方に楽しんでいただけるよう、西宮を旅するプログラムを集めた「西宮まちたび博」というイベントが開催されることになりました。
そのためにキャラクターが必要ということで、西宮在住の絵本作家として僕にお声がかかりました。実はその少し前に西宮流(にしのみやスタイル)さんから絵本作家としてインタビューを受けたことがご縁でした。
その頃の僕は、西宮に引っ越してきてちょうど10年余り。西宮には素敵な場所が色々あるのはわかっていましたが、キャラクターを作るということで改めて何があるのかを改めて調べると、甲子園球場、えべっさんで有名な西宮神社、夙川の桜、西宮浜のヨットハーバー、酒蔵通り。ずば抜けたものということではありませんが、都市型観光地として面白いところがいっぱいありました。
「ということは、、、1つに絞れない!?例えば甲山をモチーフにすると甲山君になってしまう・・・」
「それなら、どうしよう?形のわからないものをモチーフにしよう。」
あと「街を旅するというところからウォーキングという言葉をキーワードに作ってはどうだろう」と思い、靴のキャラクターを描いたところ全然可愛くありませんでした。(笑)
次に亀がゆっくり街を歩くということにして亀のキャラクターを描いたり、ウキウキウォーキング・ウッキックーというお猿のキャラクターを考えたりもしましたが、どれも今ひとつピンとこない。
多分今まで作ったキャラクターの中で一番たくさんアイデアを出したキャラクターです。
市役所の方と色々と打合せをさせていただいた中で面白かったのが、西宮市民が市外から訪れた人をどこに連れて行くかでアンケートを取ったところ、その1位が西宮ガーデンズ(巨大ショッピングモール)ということで、さすがにそれはキャラクター化にはできないなと・・・(苦笑)
普段、僕はキャラクターを作るとき大体最初の打ち合わせでイメージができます。そのあと何案か考えるのですが、殆どは最初に思いついた形が最後まで残る確率が高いのです。
しかし今回は本当にピンと来るものがなく、かなり考えていました。
実は“みやたん”の原型に近いものは割と早いうちに出ていたのですが、本当にそれがベストなものかということが決められずにいました。
最初、“みやたん”が僕の頭の中で、まだキャラクターができていない段階では、「てくてく」と街を歩くところから「てく坊」と勝手に呼んでいました。
で、てくぼう・てくぼう・てくてくぼうず・てるてるぼうず・・・と、なんとなく今の形に決定しました。(笑)
実はちょうどその頃に「おはなしくろくまの絵本」の「あめのひくろくま」という本を作っていて、そこに「てるてる坊主」がたくさん出ていたのです・・・
しかし、これが割と早いうちに出ていた原型が形になった瞬間でした。
ほぼ現在のみやたんに近いものができました。
他には、頭の上の飾りを色々変えることによって「観光地をシンボライズできるのでは!?」と思いました。しかし、それでは着ぐるみにした時に制作費がかかりすぎるのではということを考えて、そこはペンダントにする事にしてコスト面にも配慮しました。
また最初にキャラクターの提案をした時のお話なのですが、実は“みやたん”と“みにゃっこちゃん”の2体をプレゼンしていました。
結果は“みやたん”に決まって一段落したのですが、“みにゃっこちゃん”も可愛いとご好評をいただき、有り難いことにお友達役でその後デビューすることになったのです。
今回のポイント プレゼンは必ず2案以上 いいものができても1点だけでは判断できない。しかも2点あれば今回のように両方使っていただけるということもあります。(笑)