【たかいよしかずブログ/第5回】お化け屋敷を探しにウロウロ?!
たかいよしかず
怪談レストラン5巻発売 調子が良く8巻まで発売お知らせチラシ
前回に続き「怪談レストラン」の制作秘話Part2です。
表紙のデザインと同時に自分が子供の頃に何が怖かったのか?ということを考えた時、1巻目のタイトルが「幽霊屋敷レストラン」ということで、昔近所にお化け屋敷と呼んでいたような廃墟があったなと思い、お化け屋敷を探すことにしました。
まずは、実家の堺(大阪)でウロウロしましたが、なかなかそういうところは見つからず。兵庫県の芦屋というところに行けば古い洋館があるかもと思いましたが、なかなか僕のイメージに合うところはなく、結局もう1度実家の近所を探すことにしました。
日曜日のお昼に太陽が燦々と降り注ぐ中、前回まわったところとは違う方に自転車を走らせたところ、家から5分も経たない場所に畑があり、その道の先に竹やぶらしきものが見えました。そこに吸い込まれるように入っていくと、なんとそこには日本の少し古い家とコンクリートの打ちっぱなしで出来たようなハイカラな建物の2棟が目の前に現れました。
そこで日本家屋の方に近づいて見たところ、長く人が住んでいない廃墟のようです。裏口に回ったところ、扉が外れており、中の様子が見えた瞬間に「まずい!!」と思いました。僕は霊感はありません。(笑)けれども、そこは明らかに何かがあって夜逃げしたような状況があり、モノクロの赤ちゃんの写真や壊れた掛け時計などが散乱していました。そして奥の方に何かキラキラ光る物が、目を凝らしてみるとそれは仏壇でした・・・一刻も早くこの場所を立ち去ろうとした瞬間思い出したのです。カメラを持っていることに。
まだ携帯もない時代、いつもカメラを持ち歩いていた僕は、いそいで写真を撮りそこを離れました。2階に上がる階段も見えましたが、もしその階段を登ってしまうと、もう帰ってこられないのではないかという気がしました。
お化け屋敷を撮影した写真を元に描いたイラスト 写真を探したのですが見つからず(笑)
そして次の日、写真を現像に出しに行こうとして気がつきました。
もし現像して写真の中に何かまずいものが写っていたら・・・ 突然怖くなった僕は思い出しました。仕事を依頼してくれている童心社さんという会社が四谷にあることを。四谷といえば怪談話で有名なお岩さんを祀っている神社が、すぐ近くにあるのではないかと、すぐさま童心社さんに電話しました。事のいきさつを喋りましたが、僕はまだYさんとは電話でしか喋ったことがなく多分僕の話を聞いたYさんは「やばい人に仕事を頼んだのでは?」と思った事でしょう。しかしYさんは冷静に「何か写っていたら送ってください」と言ってくださり、安心して現像に出し上がってきた写真を見ました。その頃のカメラは勝手にフラッシュが炊かれてしまうため怖さは微塵もなく写っていたのはただのゴミ屋敷でした。
でも僕は体にその怖いという気持ちをしっかり刻み込み、仕事をスタートすることができ、リアルなお化け屋敷を描くことができました。
その後、もう一度あの廃墟を見たいと思い、行ったのですがマンションの工事が始まっていてそこには影も形もありませんでした。果たして本当にあったのでしょうか?(怖)
今回のポイント
自分のテンションをその仕事の気持ちに持っていけるか?
それができれば、その仕事は半分は成功したと言えるのではないでしょうか?