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【たかいよしかずブログ/第6回】緑の表紙はNG?!

たかいよしかず

前回探したけどなかった丸い目のギャルソンのラフが発見されました!

 

 

 

 

第6回始まりました!

今回から新しいキャラクターでと思っていたのですが「怪談レストラン」があまりにも言いたいことが多く、今回も続けることにしました。(笑)

 

今回はデザイン面のお話です。

僕は会社ではイラストレーターを名乗っていましたがデザインもやっていました。怪談レストランは最初に全5巻ということが決まっていて、イラストの他に本の装丁などをするデザイナーが必要という話をお聞きし、それならそれも僕にさせて下さいとお願いしました。

OKを取り付けたものの、担当のYさんからは5巻とも表紙は黒でお願いしますとういうことを言われました。そこで僕は怖い怪談の本だけれどそれが5冊店頭に並んだところを想像した時にやっぱりそれって怖いなと(笑)。でも僕はそこで怖い本だけどカラフルな色が並ぶ楽しい本にしたいなと思いYさんに相談しました。その企画が通り今のようなカラフルな本になっています。

 

怪談レストランには僕の他にもう1人「かとうくみこさん」というイラストレーターさんが絵を描いていました。代わり番こに絵を描くことが決まっていて、僕が1巻目の「幽霊屋敷レストラン」を描き、出版社の意向通り表紙は真っ黒に。そこにお化けギャルソンを描きました。

そして、かとうさんが2巻目の「化け猫レストラン」表紙を赤にしました。かとうさんはモノクロの原稿を上げて来られるのでデザイナーである僕が色とかもすべて決めていました。

次が僕の3巻目。「殺人レストラン」表紙は黄色で黒い骸骨を踊らせました。殺人レストランってなんて怖いタイトルだろうと思いました。

 

小学生の時に勉強が嫌いだった僕は担任の先生がクラスに読書グラフというものを貼り、図書室に行って本を1冊読んだら1マス塗りなさいと言われ、点数を稼ぐのはここだと思った僕は図書室に通いました。もともとそんなに本を読むということが好きだったわけでもなく一番よく見ていたのは昆虫図鑑でした。

とりあえず図書室に行った僕が最初に手に取ったのが確か子供SF文庫とかという名前のSF全集でした。「おかしの男」や「孤島一人ぼっち」などの本を読むうちに本が大好きになりました。SFの次に手を出したのがミステリー。そして手に取ったのがエドガー・アラン・ポーの「モルグ街の殺人事件」その内容があまりにもショッキングで、こんな本を小学生が読んでもいいのかと思ったのを覚えています。(笑)やはり殺人っていう響きは子どもにも刺激的なタイトルですね。

 

 

ちょっと話がそれましたが、次の4巻目が「幽霊列車レストラン」。

ここでかとうさんが送ってきた車掌さんイラストの唇を表紙と同じブルーにしました。それが、かとうさんのツボにはまり「今後の色は全面的にたかいさんにお任せします」と言っていただけました。

そして5巻目が「妖怪レストラン」。今までの流れからは当然緑の表紙にカッパのイラスト。しかし出版社の営業サイドから緑の表紙の本は売れないのでやめてほしいという注文が!(笑)

で、出版社としては、また黒の表紙にと言うことだったのでデザイナーの僕としては1巻目の黒とは差をつけたいと思い、まず緑を印刷した上に黒を刷ってもらう。するとパッと見には黒でも、少し斜めから見るとモスグリーンのような黒に見えるというものにしました。

数年後に何度か再販がかかった5巻目の表紙を見ると真っ黒に。Yさんお聞きしたら最近は印刷技術が向上して、緑は今でも刷っているのだが黒がべったり乗って緑を感じないとのこと。

それはもう仕方ないなーと思いました。(笑)

 

今回のポイント デザイナーとしての意見はしっかり伝える。

 

 

 

30巻を越す頃デザインのリニューアルを頼まれて作ったデザイン でも結局最後まで同じデザインを踏襲しました。僕もすっかり忘れてました。めっちゃ怖い